令和元年度 HIV検査普及キャンペーンin広島 レポート

 2019年10月14日(月・祝)に広島市中区のアリスガーデンにて「HIV検査普及キャンペーンin広島」が開催されました。本イベントは、音楽業界と連携をとりHIVやAIDSについての啓発活動を行う団体「AAA(act against aids)」が主催で企画されたものでした。共催団体として、広島県、広島市、特定非営利活動法人りょうちゃんずとともに、広臨技はHIV検査の啓発活動や無料検査の面から参画しました。

 当日は快晴。午前10時の時点で、既に半袖シャツで丁度良い程の天候に恵まれました。当会からは、山陽女子短期大学の学生含め26名のボランティアが参加しました。

正 午になると、アリスガーデン特設のステージで啓発イベントがスタートしました。MCは広島FMで活躍されている大窪シゲキさん。ゲストとして、サンプラザ中野くん、パッパラー河合さん、Mebiusさん、杏沙子さんといったアーティストの方々がトークやライブで会場を盛り上げました。 (左からパッパラー河合さん、サンプラザ中野くん、大窪シゲキさん)

Mebiusさんのトークでは広島市中保健センターの岩橋慶美医師がHIVの感染経路や感染率についてや、HIV感染を防ぐためには何に気をつけるべきなのか等についてお話されていました。それらの話の中で、「知るワクチン」というワードが幾度となく出てきました。HIV/AIDSのことを正しく知ることで、それが予防策になるとのことです。 

・HIVは感染力が弱く、水中や空気中に生息することができず、日常生活においては性交渉でのみ

感染が起こり得る(全感染例の約8割)。

・正しく避妊具を装着していれば感染のリスクは防ぐことができる。

・HIVに感染したとしても、早期に発見し治療することで、発症を抑えることも可能である。

・治療に対する公的な補助も受けることができる。

上記のようなお話が、各アーティスト方のトークの中で挙げられました。HIVのことを知り、予防策を知っていれば、リスクを回避し感染防止に繋がります。これは我々医療従事者が日頃から行っている感染防止対策や医療安全対策と同じであると感じています。まず、何が危険かを知り、そして適切な対応を取るということが肝要であると再認識させられる機会でした。

ステージではイベントが進行していく中、啓発担当の広臨技スタッフはアリスガーデン周辺でHIV検査啓発のパンフレットやコンドームが入った袋を配ったり、HIV無料検査への案内等の活動をしました。中でも山陽女子短期大学の学生ボランティアの14名は、最高気温が30°に迫ろうかという暑さにもめげず、最後まで元気に啓発活動をやり遂げてもらいました。

その成果もあってか、広島女性クリニック(ピンクリボン39ビル)で行われたHIV無料検査の受検者は3時間で74名を数えました。当日は梅毒検査も平行して行われたこともあり、採血・検査担当の広臨技スタッフにおいても目の回る忙しさだったと予想されます。(HIV陽性0名、梅毒陽性1名)

 午後3時20分からのサンプラザ中野くんとパッパラー河合さんのライブではアリスガーデンは人で埋め尽くされ、盛況のうちにイベントは終了しました。

 私自身もパンフレット等の配布活動にも参加させてもらいました。「HIVの…」と言った途端に「いや、私はいいよ」と言われる方も多くいらっしゃいました。もちろんHIVについてよく知り、しかるべき対策を取られている方もいると思います。それでも何人の方とお話させて頂いた中で、「知るワクチン」、まだまだ普及が足りないのでは、と感じるところもありました。

 今後もこのような啓発活動に参加し、より多くの方にHIV/AIDSについて知って頂きたいと感じるところです。

広報部 粟村尚史