リレー・フォー・ライフ・ジャパン 2018 広島・尾道 参加レポート

広報部 世良美保

 2018年9月16日、17日の2日間、 尾道市栗原小学校のグラウンドと 体育館にて、リレー・フォー・ライフ・ジャパン2018広島・尾道(以下RFL)が開催されました。 RFLとは、がんと向き合う方々の勇気をたたえ、 患者や家族、友人、支援者とともに交代で24時間 グラウンドを歩き続け、がんで悩むことのない社会 を実現するために募金活動を行うチャリティイベントです。

 1985年に一人の医師がトラックを24時間走り続けアメリカ対がん協会への寄付を募ったことから始まり、「がん患者は24時間がんとむきあっている」という想いを共有し支援する熱意が現在では世界約30ヶ国、日本では50ヶ所(2018年)で開催され広がりをみせています。広島では今年で10周年を迎えました。  16日は晴天に恵まれ、30℃を超す気温のなか13時よりイベントが始まりました。 受付にて参加賛同費(¥1000)を払い、RFLの名前が入ったラバーバンドを受け取り入場します。

 体育館では乳がん患者会の乳がんモデル啓発や大腸がんクイズラリー、広島県細胞検査士会・広島県臨床検査技師会のがん細胞をみてみよう等の 出展ブースや、若石足もみ、ハンドマッサージなど体験できるブースもありました。 ステージではキッズダンスや弾き語り、医師による講演などが行われ多くの人で賑わいをみせていました。 グラウンドでは患者交流ブースや屋台も出ており、トラックではサバイバーズラップとよばれるがん患者やがん体験者が闘病を乗り越えこの日を迎えられたことを祝福し、チームフラッグなどを持ち一斉行進を行います。その後はチームで襷を繋ぎながら24時間歩き続けます。

 広島県臨床検査技師会も細胞検査士会と協力し、ブースでは細胞診によるがん検診や顕微鏡でわかる体内の異常を示した血液検査などのポスターを展示しました。またディスカッション顕微鏡にて細胞診・血液標本を一緒に観察しました。がん体験者さんをはじめ多くの人がブースを訪れ、顕微鏡を通して自身の病気と向き合ったり、正常血液像と白血病像を見比べて驚かれたりしていました。私自身も取材の傍ら、検査のことなど質問をうけながらがん体験者の方とゆっくりお話しし、最後に「がんを見つけてくれてありがとう」と温かい言葉をいただきました。

 時間もあっという間に経ち、日が暮れてからはルミナリエセレモニーがありました。 参加された方が思い思いのメッセージを白い紙袋に書き、中に入れたキャンドルランプの光でメッセージを浮かび上がらせます。がん体験者さんの体験記や気持ちの変化などトークがあり、その後はトラック内にはHOPEという文字がキャンドルランプで作られ、トラックを囲ってメッセージの入った色とりどりのキャンドルランプがとても幻想的な雰囲気でした。厳かで想いの詰まった雰囲気の中を語らいながら夜通しウォークへと続きます。

 17日もたくさんの方に細胞検査士会・技師会ブースに足を運んでいただき、皆さん興味深く顕微鏡を覗き込んでいました。2日間を通して900~1000名の参加者と200万近い寄付金や募金が集まったそうです。 このイベントを通して、わたしたち医療従事者ができることは何か?と考えさせられるきっかけにもなりました。また、多くの人が自身の体の事を知りたいと思っているのも伝わってきました。 2日間の長丁場でしたが、広島市からもかけつけ、約50名の技師の方がご協力くださりました。RFL実行委員の皆さま、参加された皆さま、お疲れ様でした。