平成30年度 日本医学検査学会(浜松) レポート

平成30年5/12から5/13にかけて、静岡県浜松市のアクトシティ浜松などの会場において、第67回日本医学検査学会が開催され、広報部も取材に行って参りました。聖隷三方原病院の山口浩司学会長や、宮島喜文会長より挨拶があり、幕を開けました。学会長に、この学会の開催にあたり、内に秘める思いをお聞きしてきました。

「現在、日本は第4次産業革命の真っ只中にある。第1次は機械化(1830年代)、第2次は大量生産(1900年代前半)、第3次は自動化(1990年代)、そして第4次である現在(2010年代)、コンピュータやインターネットを通じて、機械自身がAIを通じて考え、行動していく時代になってきた。第4次は自律化をキーワードとして、日進月歩で発展を遂げている。医療業界もAIに頼っていく時代に突入している。臨床検査も、自動化は当たり前となり、コンピュータ自身が検査値や画像を見て考え、判定していく時代になっていく。そんな医療情勢の中、臨床検査技師は何ができるのか?コンピュータには出来ないこと、それはコミュニケーションである。いま日臨技において推進されている、患者さまへ検査説明を行うことや、病棟に赴いて病棟専従検査技師として働くことや、ICTなどのチーム医療などは、未来を見据えた事業で、とても大切なことである。

また、10年後になくなる職業に、医療界で唯一、臨床検査技師が挙げられている。ただ、この調査は外国の調査であり、外国は臨床検査技師と言えば検体検査のみを指すため、日本においては生理検査なども対象としており一概に同じであるとは言えないが、この危機に直面していることを頭に入れておかなくてはいけない。今回のテーマである、『多様な役割のなかで、新たな存在価値を示す』とは、この第4次産業革命の最中において必要な存在とはなにかを常に考え、行動してほしいという思いで、このテーマを付けました。」との言葉をいただきました。今の自分自身に出来ることを常に考え、行動していかなくてはいけない、という強い想いを感じました。

今回の学会では2日間で561題の一般演題が発表されていました。日々の業務の中で尽力された、症例検討・試薬や機器の検討・業務の改善・技師の教育などについて発表され、どの演題においても活発に質疑応答が行われており、非常に盛り上がっていました。私も今回、沢山の演題を聴講し、これからの業務に役立つような経験や症例を学ぶことができました。

e-ラーニングの体験ブースも設置されており、入会を迷っている方や、興味関心のある方たちが、実際にe-ラーニングの体験を受けておられました。私は入会済みなので体験しませんでしたが、特に認定所得を目指している方や、僻地にお住まいでなかなか研修会などに参加しづらい方にとっては、知識向上においての一助になると感じております。認定所 得カリキュラムに基づいた講義・セミナーが何度でも好きな時に受けられるので、非常に助かっております。これから更にe-ラーニングが充実していくことを期待しております。

そして、来年の日本医学検査学会は山口県下関市で開催されるようで、山口県のご当地マスコットのちょるるくんと萩にゃんが、次期学会の案内と下関観光案内パンフレットを配布していました。老若男女問わず人気者で、絶えず写真撮影をお願いされていました。下関は昨年、中四国医学検査学会が盛大に開催されていましたが、それ以上に活気づいた学会になることを期待しております。 最後に、演題発表された方々や学会参加された方々、お疲れ様でした。この有意義な学会を開催するにあたり、大変な準備をされてきたことと存じます。今回の学会開催に携わった全ての方々に厚く御礼申し上げます。(広報部 黒島 眞太郎)