【報告】第56回中四国支部医学検査学会レポート

2023年9月16日~17日の2日間にわたって愛媛県松山市にて第56回中四国支部医学検査学会が行われました。今回のテーマは「突破」~社会を支える技術と人間力~でした。このテーマには今の人口減少や病院機能縮小に向けた再編など課題が多く困難な状況の中でも、挑戦を続けていき検査技術や知識を得て社会を支える人材になってほしいというメッセージが込められていました。 

今回の学会では一般演題147題、シンポジウム9題、特別公演2題と今回も多くの発表がありました。また9月とは思えないくらいの猛暑のなかでしたが参加人数は1009名でした。

 一般演題では貴重な症例や検討が多くあり、日頃の仕事で生かせそうな内容が盛りだくさんでした。また私が拝聴した会場では発表に対する質問が多く発せられており、活発な質疑応答が行われて盛り上がっておりました。 

 

宮島会長の特別講演では、2040年から高齢者人口が減少していくのに伴って、臨床検査技師も人材が飽和していくため、今の仕事からの変化が求められるという話をされていました。これからは臨床検査技師も社会へ進出し、多分野での職域確保が進められていくようです。

たとえばワンコイン検査やスポーツやコンビニと検査を絡めた仕事など、これまでの枠を超えることが求められていくと話されておりました。また日本の少子高齢化が進み、僻地医療が今後破綻していくという現状と、そのためにもオンライン診療やマイナンバーの活用など医療分野のデジタル化を図る医療DX(デジタルトランスフォーメーション)を進めていくといわれていました。 私も先日、病院で薬をもらう際にマイナンバーの提示を求められて驚きましたが、今後もこのような流れが続いていきそうです。 

初日の夜にはANAクラウンプラザホテルにて懇親会が行われました。多くの人が参加しており、参加者が多すぎて会場のテーブルや料理が足りなくなってしまうのではないかと思うほどでした。懇親会のステージでは愛媛県臨床検査技師会の方がマイクパフォーマンスで会場を盛り上げて下さったので、会場の来場者は楽しそうに過ごされていました。 

2日目には学生フォーラムにも参加しましたが、発表は学生さんとは思えないほどレベルが高くて驚きました。また内容は激落くんを使った免疫電気泳動の検討や、ミルクティーによるエコーの検討など、とてもユニークで興味深い発表をしていました。長時間の発表でしたが、とても短く感じました。 

今回のテーマでもある突破ですが、医療業界の変化に対応できるよう、検査の勉強など自己研鑽するのは勿論のこと、様々なことに挑戦し突破していかなければと考えさせられる学会となりました。 

来年の第57回中四国支部医学検査学会は11月2日~3日に鳥取県鳥取市のとりぎん文化会館で開催されます。来年はますます参加者が増えることを期待したいです。 

(広報部 森﨑敬祐)