【全国学会】第72回日本医学検査学会に参加して

5月20・21日に群馬県のGメッセ群馬・高崎芸術劇場にて第72回日本医学検査学会が開催されました。今回の学会テーマは「臨床検査技師”愛”~この素晴らしき仲間と未来ヘ~」とされており、臨床検査技師の認知度、そして社会的地位の向上を目標のひとつとして掲げるという想いが込められているようです。

まず、学会会場へ行くために高崎駅に着いたところで、JRの職員が特別ブースを設けて学会参加者を歓迎してくれていました。暑い中、だるまの衣装を着て、2日間常に歓迎してくれていました。学会会場は、Gメッセ群馬と高崎芸術劇場の2会場に分かれていました。

Gメッセ群馬は、とても大きな建物で、企業展示のブースではあまりに大きなブースであるため、間仕切りをして学会発表会場としても利用されていました。高崎芸術劇場は、ガラス張りのとても綺麗な建物で、建物名にふさわしく芸術が綺麗に見える造りだなと感じました。

ここまで、学会内容には触れず、駅の歓迎ムードや建物に文章を費やしていることには理由があります。皆様の心には「群馬県ってどんなところ?何があるの?」という気持ちが少しばかりあるのではないでしょうか。私自身もその気持ちを持っていて、おそらくこの学会がなければ群馬県に行くことはない人生だったかもしれません。そんな気持ちは、駅の歓迎ムードや学会会場の素晴らしさを見るとともに消え去り、「群馬県にはこんな雰囲気がある。場所がある。」そういった感情に変換されました。私たちは群馬県というものを知らないだけで、群馬県を知る機会があれば素晴らしさに気づくのです。

これは、今回の学会が目指している臨床検査技師の認知度・社会的地位向上に繋がるのではないかと感じました。「臨床検査技師ってどんな仕事?何してるの?」という位置から「臨床検査技師という職種がある。こんな仕事をしている。」という位置への昇り方を群馬県が教えてくれているようでした。前置きが長くなりましたが、ここからは、そんな臨床検査技師が認知度・社会的地位向上のために取り組んだ学会内容を報告いたします。

まず、輸血細胞治療部門のパネルディスカッション「輸血劇場あなたならこんな時どうする?寸劇プレゼンテーション」を聴講しました。輸血検査において起こりうる予期せぬ反応の症例を提示し、対応方法について聴講者は事前に渡された色紙を用いて、意思表示するという聴講者と一体型の講演でした。症例を提示する際には、ポップな音楽を流して、寸劇を踏まえて飽きないような取り組みがありました。広島県でも過去に症例検討会などで同じような講演がありましたが、やはりこのような聴講者一体型の取り組みはとても楽しく、今後もあると良いなと思いました。今回は全国学会規模で行われていることもあり、多くの時間とマンパワーを要していると節々で思うことがありましたが、広島県の症例検討会で目指すところはこれだなと感じました。

そして、一般演題は新しい知見や各施設での報告などで各会場ともに盛り上がっていました。聴講する方々も知識のある方が多く、高いレベルの質問や意見交換がされていました。私は、輸血の一般演題座長を務めさせていただきましたが、私が考えた質問や意見は必要ないほどに会場で質問がでて、時間内に進行することで精一杯でした。日頃の日常業務だけではなく、学術的な面でも意識の高い方々が集結している雰囲気であり、参加者のモチベーションが上がる良い発表ばかりでした。

今回の学会を通じて感じたことは、やはり全国学会の規模では学会を運営する皆様も発表される皆様も臨床検査技師としての意識やモチベーションの高い方々が多いということでした。そして、参加された皆様は、この雰囲気を肌で感じ、意識やモチベーションの向上に繋がり、いつか運営する側や発表する側に回りたいと感じるのかなと思いました。臨床検査技師の認知度・社会的地位向上を目指すには、臨床検査技師を知ってもらった際に「こんな素晴らしい職種があるんだ」と思ってもらえるように、臨床検査技師の中で日々切磋琢磨する必要があると感じました。そのためにもこういった学会への参加を続けていきたいですし、この文章を読んだ方が参加してみたいと思っていただけると幸いです。

(広報部 村田竜也)