第45回呉地区七夕学会 

第45回呉地区七夕学会 報告①

広報部 呉共済病院 森崎敬祐

2019年7月6日 第45回呉地区七夕学会がビューポートくれにて行われました。去年は豪雨災害もあり延期になった本学会ですが、今年は天気もよく無事開催することができました。

一般演題は7題の発表があり、今年も中堅技師から若手技師までが自施設で経験した貴重な症例や、新しく始めた取り組みなどを発表されていました。聴衆の方は演題に熱心に耳を傾け、また質問も活発に出していて盛り上がりをみせた演題発表となりました。

浜松医科大学の栗田先生の「人工知能が切り拓く未来~変わりつつある医療のカタチ」という特別講演では臨床検査技師なら気になるであろうAIの現状の話をして頂きました。話では今後、検査業務の多くをAIがカバーするようになるので、AIに「負けない」ではなくAIと「共存する」あり方が今後、求められてくる。AIの優秀な所を認めて、臨床検査技師はAIにできないアイデアを思いつく、検査結果が本当に正しいものか考える等、AIとうまく付き合っていくことが望ましい。と話されておりました。

済生会広島病院の神野先生の「腹部超音波の悩みを一緒に考える」の特別講演では臨床検査技師の腹部超音波検査での悩みを医師目線から、どう解決していくべきかを話されていました。「分からない所見があっても、観察した所見をそのまま記載して下さい。」「腫瘍がみられたら、それが悪性または良性が示唆されるというのも一緒に記載してほしい」等、医師の方が、どこまで臨床検査技師に求めているのかというのが聞ける貴重な機会となりました。

学会終了後には懇親会が催され、今年の入った新人さんに自己紹介と今後の抱負を話してもらいました。皆さんしっかりとした抱負を話していて、これからの活躍が楽しみになりました。

懇親会で米田副会長と水野前会長の話がありましたが、今回の特別講演にAIの話があってかAIとこれからの検査技師についての話をされていました。これからAIが検査業務に入ってくると、臨床検査技師は変わる必要がある。またAIが入ることで、また新しい仕事が生まれるはずなので、その時には認めてもらえるよう働きかけをしないといけないと言われていました。AIが検査に関与するのも遠くない未来のことかと思いますので、私も日頃からAIの進歩に目を通すようにしておきたいです。

今年の七夕学会も興味深い演題が各分野から出され、特別講演も多くの人が気になるような内容で皆さん勉強になったのではないかと思います。これからもこの七夕学会が続けられるよう私もお手伝い等していきたいです。

第45回呉地区七夕学会  報告②

呉医療センター 片山 優美

私は今回、初めて呉地区七夕学会に参加させていただきました。米田登志男副会長の挨拶で「去年は豪雨災害があって12月に開催し、今年は無事に7月に開催することができた。継続は力であり、こうして毎年学会を開催できていることは素晴らしい。」という挨拶をいただきました。呉地区の臨床検査技師が協力し合い開催できている七夕学会に参加できることは光栄なことだと思いました。

一般演題では珍しい症例や、業務の現状と問題点、更には改善点について拝聴させていただきました。今まで無かった知識を得て、自施設での検査の着眼点を学ぶことができました。  

今回、特別講演は2講演ありました。1つは浜松医科大学医学部付属病院の栗田佑希技師が「人口知能が切り拓く未来~変わりつつある医療のカタチ~」について講演されていました。AIが発達することで臨床検査技師の業務は約90%影響を受けるそうです。AIを使う時代はすぐ側まで来ており、AIと共栄・共存していく発想力が大切だというお話でした。私は新人検査技師で、今は1日でも早く全ての日常業務を行えることが目標ですが、効率の良い検査や患者様の為の検査とは何か考え、様々なアイデアを実現させていきたいです。

もう1つの講演は済生会広島病院の神野大輔先生の「腹部超音波の悩み一緒に考える」という講演でした。私は生理検査室に配属され、ゆくゆくは超音波検査にも携わりたいと考えています。超音波検査に臨む心構えは、様々な部位の超音波検査に共通しており、見逃しのない検査をし、疾患名に結び付けられなくても見たままの所見を詳しく書くことで、次の検査に生かせるというお話は大変勉強になりました。  来年は私も「新人の登竜門」七夕学会に演者として参加したいと思います。その為に、日々の検査の中で疑問に感じたことは追及していけるよう励みます。

呉医療センター 小石千尋

令和元年5月11日(土)、とても良い天気に恵まれた日に、呉地区のレクリエーションが開催されました。呉地区の方々とマツダスタジアムにて広島東洋カープ対DeNAベイスターズの試合を観戦しました。

私は4月より転勤で呉医療センター勤務となりました。呉地区のイベントへは初めての参加となり、お会いしたことない方がたくさんいる場へ行くことに少し不安で緊張していました。しかし、久しぶりの球場でのカープ観戦ということもあり、わくわくした気持ちで、学生時代に買ったユニフォームなどのカープグッズを押入れから引っ張り出して球場へ向かいました。

会場はラグジュアリーフロアで、球場全体が見やすく、美味しい料理を食べながらのとても贅沢な環境での観戦となりました。試合開始すぐに観戦していたフロアにファウルボールが飛んでくる嬉しいアクシデントもあり、会場も一気に盛り上がり、球場ならではの雰囲気を体験することができました。

はじめは緊張していましたが、参加された皆さんと一緒に応援し、選手の良いプレーや点が入るごとに一緒に喜びあうことができ、緊張もほぐれ、会話も弾み、とても楽しく過ごすことができました。応援のかいもあり、見事勝ち試合となり、最後は飛んできたファウルボールをかけたじゃんけん大会、集合写真の撮影と、終始和やかな雰囲気で温かい気持ちになりました。

今回、呉地区レクリエーションに参加させていただき、自施設、他施設ともに多くの方々と交流を深めることができ、とても楽しい時間を過ごすことができました。このような貴重な機会を作っていただけたことに感謝したいです。レクリエーションの企画運営に携わっていただいた皆様、本当にありがとうございました。参加者は下記のとおりです。

呉地区会員32名、賛助会員6名、呉地区以外8名

呉地区理事 呉共済病院 柴田 淳

 去る平成30年12月22日(土)、呉市内の呉海員会館(ビュー・ポートくれ)において“第44回呉地区七夕学会”が開催されました。この学会は、西日本豪雨災害の影響により、当初開催予定であった同年7月7日からの延期開催となったものであります。今回、その際の中止決定から延期開催までの経緯を中心に、本学会の様子をまとめましたので報告いたします。

  今回で44回を数える広臨技において最も歴史と伝統のある七夕学会は、例年7月の第1土曜日を開催日としております。今年度は3月3日に第35回広島県医学検査学会を、呉地区開催として終えたばかりでしたので、呉地区委員会では計画段階で、準備期間の短さや演題が集まるか等の不安要素が多く、開催に躊躇する意見が出されていました。しかし、7月7日(土)に会場が確保できたため、縁起の良い“七夕の日当日開催”として張り切って準備を進めておりました。   

 学会前日6日(金)、天気予報のとおり午後から続く大雨の影響で、私の職場でも「職員を早めに帰宅させるよう」指示が出されました。帰宅後も降り続く雨。テレビの天気予報から目が離されない時間が続きました。携帯電話に地区委員から「この天気で明日、学会は開催するのか?」との問い合わせや、「自宅近くから土砂の匂いがしており、何かの被害が発生している様子。明日の学会への出席は困難」とい う連絡も入りました。PM 8:00を過ぎた頃、私の自宅(呉市本町)近くの国道185号線では膝下くらいまで冠水しましたが、一時的でありましたので、この時点では「明日の学会は参加者が減るかもな…」と心配しながらも、翌日の学会挨拶を考えておりました。  

 日付が変わり7日(土)、断続的に降り続く雨と携帯電話の防災速報により、何度も起こされ、気象情報をチェックする夜でした。夜が明けたAM6:00頃、地区委員の一人から「道路の渋滞により車中で夜を明かした。学会の備品を積んでいるので、開始までに何とかルートを探して会場に向かいます」との驚くべき連絡。他にも帰宅困難であった技師が複数名あるとの情報も入りました。テレビでは県内各地の大雨被害や、道路、交通機関の麻痺を伝えています。

 AM 6:30、「学会開催を強行するレベルの状況ではない」と判断しました。しかし、百数十名もの会員・賛助会員が参加予定である学会と懇親会を、“当日の中止決定”する事への影響や、演者や参加予定者への連絡方法、会場の当日キャンセルの可否、キャンセル料の発生、等が頭を過り、簡単には決断出来ませんでした。広臨技 森田会長に相談したところ、「学会中止に伴う損害に対し、技師会から援助の用意がある」との申し入れを頂きまして、地区委員会計担当者である呉共済病院の佐々木 彩技師と協議の上、AM 7:00過ぎ“七夕学会中止”を決定しました。  

 中止決定後は佐々木技師と分担して、演者および参加予定者と会場へ連絡を開始しました。呉地区各施設の演者および学会参加予定者には地区委員を通じて、広臨技理事の方々には森田会長より、賛助会員には直接あるいは代理店担当者様のご協力を得て連絡しました。学会会場の準備開始が正午からでしたので大急ぎで連絡しまくり、AM10:00までにはほぼ全参加予定者に連絡を終えることができました。また、学会および懇親会会場には交渉を行った結果、この事態を理解して頂き、キャンセル料は免除頂きました。

  こうして七夕の日の七夕学会開催は白紙となった訳ですが、多くの発表者が一生懸命準備した演題を無駄にしたくない思いが強くあり、また本学会は日臨技推進事業であるため、年度内の開催に向けて時期をうかがっていました。しかし豪雨災害が残した爪痕は甚大であり、人的被害だけでなく、ライフラインや交通網の麻痺が続くと、9月に入っても学会再開の計画など考えられる状況になりませんでした。  秋に入り、多くの関係機関の不眠不休の努力により復興が進みました。JRおよび高速道路網の復旧により、呉地区圏外からの学会参加者の交通が改善されたため、延期開催の準備を進め、晴れて12月22日(土)の開催に至りました。  

講演される森田会長

 年の瀬迫る学会当日、寒空の下、参加者は学生、賛助会員を含め103名と多数あり、ありがとうございました。プログラムは一般演題6題、広臨技活動報告1題、特別講演2題の内容で開催しました。この七夕学会は『若手技師に発表の機会を与え、呉から中四国さらには全国学会への登竜門』として位置づけられており、一般演題には若手を中心にエントリーして頂きました。会場からはベテラン技師から自施設の経験を交えた意見も出され、発表された技師の皆さんには大変よい経験になったのではと思います。

  森田会長による『広臨技の西日本豪雨災害対応 ~呉地区における活動報告~ 』は、災害地である呉地区の技師として報告を聞きたく、急遽組み込ませて頂いた内容でした。

 小林 剛技師(呉共済病院)による特別講演Ⅰ 『日臨技・短期海外留学に参加して ~広島から世界へ! 英語力ゼロからの挑戦~ 』は、日臨技の短期海外留学制度を利用して、米国シカゴの“Loyola university medical center”で1週間実施された研修に参加された報告です。チャレンジ精神旺盛な小林技師が、この留学に挑戦するに至った経緯から、日米の検査業務スタイルや設備の違い等、食文化の紹介を交えながら大変興味深い内容の講演でした。演者の普段を知る者として、彼の物事への取り組み方、英語学習の努力の成果を知って頂き、嬉しく思っています。

講演される金本技師

 特別講演Ⅱ『あなたは好かれる人?それとも嫌われる人?』の演者、金本 實 技師(三次地区医師会臨床検査センター)は、心理カウンセラーをはじめ多分野の資格を有されており、様々な社会活動や地域作りをされている方です。人間のタイプを、クイズ形式の自己診断も交えながら解説して頂き、巧妙な話術で楽しく聴講することができました。業務だけでなく日常生活での人付き合いに活かされる、大変役立つ内容でした。

  懇親会は会場を呉阪急ホテルに移動し、84名の参加者の下、新人紹介や景品の抽選会で盛り上がり、最後は一本締めにて会を終了しました。 学会の計画から当日の運営を通じて、地区理事に就任して間もない時期に起こった、自分にとっては困難な出来事もありましたが、今回の経験は非常に貴重なものとなりました。伝統のある呉地区七夕学会が高い評価を得てきた理由は「技師会員・賛助会員を含めた協力体制が適切に実施されている」という事を知りました。皆様のご協力をいただき、無事運営することができました事、厚くお礼を申し上げます。

広報部 呉共済病院 森崎敬祐

呉地区理事 柴田技師のご挨拶

 平成30年12月22日(土)にビューポートくれにて、西日本豪雨災害で延期されていた第44回呉地区七夕学会が開催されました。未練休の初日で、あいにくの雨となりましたが、多くの方が来場し大盛況となりました。一般演題では若い技師からベテラン技師まで、皆さん熱のこもった発表で、質疑応答も活発で会場の聴衆の方も真剣に聞いているのが伝わりました。

 一般演題に続き、森田会長には西日本豪雨災害のDVT検診の報告をして頂きました。お話を聞いて県庁での毎朝の会議や、検査場所の調査等、検診をする前段階での苦労があったことを知りました。DVT検診のボランティア募集には167人もの会員が参加に手を上げられ、賛助会員の方々も何か自分達にできることはないかと言って頂き、広島県の絆の深さを改めて感じました。

一般演題の発表の様子

  引き続いて行われた特別講演1では「日臨技・短期海外留学に参加して~広島から世界へ! 英語力ゼロからの挑戦~」と題して小林技師に講演して頂きました。講演の中で私が一番印象に残ったのは「海外留学に不安はあったがアグレッシブにいきたい!」「後悔したくない!」という理由で参加されたことでした。何事もできない理由ばかり探して挑戦することから逃げてはいけないなということを改めて考えさせられました。

 特別講演2では、「あなたは好かれる人?それとも嫌われる人?」と題して金本技師に講演して頂きました。嫌われる人になってしまうと、人とのコミュニケーションがおろそかになり、それがインシデント、アクシデントに繋がるということを述べられました。確かに考えてみると、ほとんどのインシデント等の多くは周りと相談していれば未然に防げていた事例が多いように思われます。好かれる人になるためのポイントは明日から実践できることがほとんどだったので、良いところはそのまま継続し、悪いところは意識して改善し仕事に生かしていこうと思いました。

 その後に行われた懇親会では1年目と2年目の新人さんの自己紹介と今後の抱負を語って頂きました。抱負では皆さん一人一人、これからどういう技師になりたい!上司や先輩を超えたい!といった目標を話しており呉地区の新人さんの熱意を感じました。 1度は延期になり中止も考えられた呉地区七夕学会でしたが、講演には多くの人の参加があり、懇親会でも活発な意見が交わされていて開催されて本当に良かったと感じる学会でした。

呉共済病院 藤村利佳

 12月22日にビューポート呉で開催された第44回呉地区七夕学会に初めて演者として参加させていただきました。今回の七夕学会は、7月7日に開催予定でしたが西日本豪雨災害の影響により中止になったとの連絡を受け、驚きと発表できない悲しさがありました。その後、延期になったという知らせを聞き、発表できることに感謝し頑張ろうと思いました。 発表までの準備は自分が思っている以上に大変でした。抄録は過去の学会を参考にしましたが文章力のなさを痛感しました。完成した抄録をもとに会場で見えやすい配色や文字の大きさなどたくさんの方々にアドバイスをいただきスライドを作成しました。本番を迎え、少し緊張しながらも無事発表を終えることができました。発表の反省点として、質疑応答にてうまく返答することができませんでした。次回発表する機会があれば、今回の反省点や他の演者の発表を聞いて学んだことを生かしていきたいと思いました。これからも臨床検査技師としての知識や技術を増やすため、様々な学会や研修会に参加していきたいです。