第38回広島県医学検査学会~WEB聴講を終えて~

 令和3年2月28日に第38回広島県医学検査学会が開催されました。今回の学会はWebexを使用したWeb配信となりました。各学術部門でもWeb配信による研修会が増えてきましたが、学会のWeb配信は今回が初の試みとなりました。そのため、本学会は「coNnEcT HIROSHIMA~withコロナ!NETでつながる新時代の幕開け」というテーマのもとで開催され、事前の参加登録者は300人を超えていました。Web配信だからこそ気を張らずに登録できたのかなと感じました。

 まず、学会は接続テストから始まりました。現地開催の時には無かったものですが、Web配信をするうえでは欠かせないものです。前日までの準備段階では想定しなかったことが当日に起こりうるのもWeb配信の特徴なのかもしれません。この接続テストで私が感じたことは、学会参加者側がWeb配信に慣れていないなということでした。学会や研修会を主催する方々は、Web配信に慣れてきて正常に配信できているのですが、聴講されている一部の方々が、カメラをオフにしていない・ミュートにできていないなどWebexの使用方法がまだまだ周知されていないのかなと感じました。

会場の様子

 一般演題は、発表者と座長が現地で横並びとなり、画面の共有によってスライドが示されていました。参加者からの質問はチャット欄にて受付が行われており、たくさんの意見や質問が寄せられていました。もしかしたら、「本当は質問をしたいけれど、人前で質問するのは恥ずかしい。でも、チャット欄なら質問できる。」と思った方もいるのかなと感じました。それも現地開催にはないWeb配信の良さだと思います。

「みんなで考える症例検討会」の様子

 そして、一般演題後に昨年同様「みんなで考える症例検討会」が行われました。昨年はクリッカーを用いて学会参加者の意見がリアルタイムで反映されていましたが、今年はWeb配信となったためプレゼンターの方々による症例の説明となりました。様々な検査部門の視点から症例を検討して答えに近づいていくというR-CPCの良さはWeb配信でも健在でした。ただ、4人が横並びで喋られていたため、一部音声の聞きづらさやプレゼンターの方が画角から見切れていることも気になりました。音声の集約方法や発表者のカメラは今後の課題なのかもしれません。

 最後に、実行委員長の尾田さんが準備の大変さや急なトラブルへの対応などWeb学会だからこその苦労を話されていました。たしかに、ネット回線の状況や音声の乱れなど細かい部分での改善点はあるのかと思いますが、配信が中断するようなこともなく無事終了できたのが本学会の大きな成果だと感じます。これからは、このような形の学会や研修会が主流になって来るかもしれません。テーマにもある新時代の幕開けはもう来ています。WEBや機械が苦手、使い方が分からないと言って、いつまでもちょんまげ頭ではなく、広臨技全体として散切り頭になって新時代の波に乗れると良いなと思いました。

広報部 村田竜也