日 時:令和4年2月20日(日) 12:30~17:30
配信会場:三原国際ホテル 広島県三原市城町1-2-1
開催方法:WEB開催
【第39回 広島県医学検査学会 日程表】
時 間 | 内 容 |
11:40~ | 発表者受付開始 |
12:00頃~ | Zoom配信確認(オンライン状況確認) |
12:30~ | 開会式 |
12:35~15:05 | 一般演題 13題 |
15:05~15:15 | 休憩 |
15:15~15:35 | 厚生労働大臣指定講習会 タスクシフト・シェア実技講習会について |
15:35~15:45 | 休憩 |
15:45~17:15 | みんなで考える症例検討会(2題) |
17:15~17:30 | 優秀演題表彰式・閉会式 |
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【学会抄録目次】
【一般演題】[12:35~15:05]
■ 臨床血液部門[12:35~13:20]
座長:竹井 絵梨(尾道市立市民病院)
1. 全自動総合血液学分析装置Alinity hqによる強乳び検体を用いた光学的ヘモグロビン測定の有用性
山本 華(尾道総合病院)
Q&A
質問 | ルーチンで乳糜検体による乖離を認めた場合の運用を教えていただけますか? |
回答 | ご質問ありがとうございます。 ルーチン時はHGBフラグが立った時に違う号機で再検し、フラグが再度立つようであれば遠心して血漿の確認をしています。 そこで乳びがあった場合には血漿を生食で置換して測定し、比色法のHGB値で結果を送信しています。 レーザー法のcHGBの運用については今後検討予定です。 |
2.当院で経験したフィブリノゲン異常症におけるスクリーニング方法の検討
金重 仁美(広島市立広島市民病院)
Q&A
質問 | dhとフィブリノゲン抗原量の相関は、自施設で検討する必要があるか。その場合、試薬ロット毎に検討する必要があるか |
回答 | 機械の測定波長や原理、試薬の組成によって相関が変わることが考えられるため、自施設で検討するのが望ましいと思います。また、試薬ロット毎の検討は、あくまでFbg抗原量を推定することを目的としているので必要ないかと思います。 |
Q&A
質問 | 貴重な症例をありがとうございました。聞き逃したかもしれませんが3点教えて下さい。 ・用手法でフィブリン塊に異常はありましたか ・遺伝子検査はされていないとの事でしたが、この患者さんは先天性、後天性どちらでしょうか ・手術が必要となった場合、対処としてはFFPでしょうか |
回答 | ・用手法での検査について、今回はルーチン検査後の残血漿でFbg抗原量を測定することを優先したため実施することが出来ませんでしたが、恐らくご指摘のようにフィブリン塊に異常が見られたと思います。 ・主治医からの情報では後天性を疑うような被疑薬はなく、先天性の可能性が高いが断定はできないとの事でした。 ・Fbg異常症は約半数は無症候性、25%は出血傾向、15%は血栓傾向と言われています。本症例は無症候性で、Fbg活性値50mg/dL以上であることから止血レベルはある程度保たれていると判断され、手術が必要となった場合はFFPで対応することとなりました。 |
3. 皮下出血を契機にDダイマー偽高値が疑われた1症例
住吉 彩(広島市立舟入市民病院)
Q&A
質問 | DTT処理の方法を教えてください |
回答 | 0.01mol/L DTTと被検血漿を等量混合し、37℃にて30分インキュベーション後、2000Gにて10分間の遠心後測定を行いました。 |
Q&A
質問 | 貴重な報告をありがとうございます。 この症例がDD非特異反応だとどうやって気がついたのか知りたいです。 画像で、皮下出血に気がついた先生から、DDとFDPのオーダーが出たのでしょうか。 それとも検査技師のほうへ非特異反応の可能性の相談があったのでしょうか。 ご教示いただけますと幸いです。 どうぞ宜しくお願いします。 |
回答 | 皮下出血に気がついた先生からDDとFDPのオーダーがあり逆転を認めたことから気がつきました。検査室から先生へ非特異反応の可能性があることを連絡し、詳細な原因を調査しました。 |
Q&A
質問 | 貴重な症例報告ありがとうございました。発表の中にもあったように、臨床経過を追っていないと偽高値に気が付くのが難しく、疾患によるものと考えてしまうと思いました。今回の症例は、検査室の方で経過を追っていて気付いたものでしょうか。臨床からの問い合わせを受けて調査したものでしょうか。よろしくお願いいたします。 |
回答 | 上記と同様の回答とさせていただきます。 |
4. 骨髄系腫瘍への形質転換を認めた高齢者Tリンパ芽球性白血病の1例
大長 美由貴(中国中央病院)
■ 輸血細胞治療部門[13:20~13:35]
座長:小林 謙司(福山市民病院)
5.当院における全自動輸血検査システムORTHO VISIONによる微量検体測定の運用と効果
鍵原 碧(広島市立広島市民病院)
Q&A
質問 | 1.MAP採血管にて採血した検体量にて、再検査が必要になった場合は残血で血液型も不規則抗体も検査することが可能ですか?また再検査はどのようにされていますか? 2.コンピュータークロスの条件から外れた場合の交差試験用の検体もこの採血管で採血されていますか? 3.MAP採血管を使用する基準(年齢や体重)を設けておられますか? 4.通常の採血管を使用する場合とMAP採血管を使用する場合で、電子カルテによる検査オーダーは分けられていますか? 以上です。よろしくお願いします。 |
回答 | 1.再検査になること自体が少ないですが、残血で検査可能であり、カラム凝集法を用手法で行うか試験管法で実施しています。もしも、MAP採血管に充分な残血が無い場合は、生化学検査やCBCの残血を用いて行っています。 2.そのような場合でも、MAP採血管で採血しています。 3.特に基準は設けていません。 4.同一オーダーであり、採血管における特別な検査オーダー分けはしていません。 |
■ 臨床微生物部門[13:35~14:20]
座長:磯﨑 綱次(福山市民病院)
6.サーベイランスでの経験により菌種を同定できたStaphylococcus pseudintermedius感染症の1例
村上 祐人(日本鋼管福山病院)
Q&A
質問 | 何回か培養を行っていますが、S.intermediusと同定される前はStaphylococcus.spとなっていましたが、どのような同定結果だったのでしょうか。 |
回答 | 質問ありがとうございます。 術後1年目6月の結果はコメントにて”S.intermediusの判定”としていましたが、X年8月と術後1年目5月の結果はかなり前の結果でありコメントも残していなかったため元々の同定キット判定結果はわかりませんでした。 環境からの感染と推測しS.aureus S.epidermidis以外のブドウ球菌であり医師の混乱を避けるためにStaphylococcus sp.として報告したと考えています。 |
7.当院で乳腺炎患者から分離できたCorynebacterium kroppenstedtii の3症例
天野 亜希(東広島医療センター)
8.喀痰のグラム染色を契機に診断された肺結核の1症例
三浦 香苗(中国中央病院)
Q&A
質問 | 該当患者は過去にも抗酸菌検査を行っていたようですが、今回来院時、胸部X線の結果などのけっかから抗酸菌検査の依頼も同時に依頼はなかったのでしょうか? |
回答 | ご質問ありがとうございます。時間外救急の来院時に非結核性抗酸菌症の疑いでCTの撮影を行っており、肺炎像の増悪を認めていましたが、喀痰培養は一般細菌培養での肺炎原因の検索のみで、抗酸菌培養の依頼はありませんでした。 |
9.当院のCOVID-19検査状況について
高橋 規恵(三原赤十字病院)
Q&A
質問 | COVID-19の陽性患者数と検査数がほぼ同時期に増加しているとのことですが、全国的に言われる第1波~第5波と一致していましたか?陽性件数はまとめられていましたが抗原検査とPCRはそれぞれ何件ずつでしたか? |
回答 | ご質問ありがとうございます。増加している時期は、三原市も全国も全国的に言われている第1波~第5波と一致していました。陽性件数は抗原検査が2件、PCRが43件となりました。 |
■ 病理細胞部門[14:20~14:35]
座長:荻野 恭平(福山市民病院)
10.病理技師が行う手術摘出材料の切り出しの利点と欠点
前田 志穂(尾道総合病院)
Q&A
質問 | 当院においても最近、技師による手術材料の切り出しを始めたため、大変参考になりました。質問ですが、技師2名での作業とのことですが、1名での実施は困難ですか?また手術材用での切り出し所要時間について、可能な範囲で教えてください。 |
回答 | 病理検体取扱いマニュアル(一般社団法人 日本病理学会)では病理医1名、技師1名の計2名で切り出しを行うことが推奨されています。また、技師1名での切り出しは可能ではあるが、その場合ブロックの取違いなどをチェックすることが出来ません。従って2名で行うべきと我々は考えます。胃、大腸における切り出し時間は1件あたり、約30分です。しかし、臓器や病変により所要時間は大きく異なります(例えば膵頭十二指腸切除術では約90分)。当院では1日当たり人を変えながら約6時間切り出しを行い、前日の手術材料を全て処理しています。 |
Q&A
質問 | 病理技師が切り出しを行うことで、経験値の違いで追加切り出しの割合が変化すると思っていたのですが、若手からベテラン技師まで同程度の割合に抑えられており、かなり質の高いマニュアル作成と教育が行えているのだと感銘を受けました。 切り出しにおいては、割を入れる方向によって診断が変わってくると思うのですが、主治医や病理医が求めている方向に切り出せるように工夫されていることはありますか? |
回答 | 基本的にはマニュアルに沿って割を入れています。切り出す方向が分からない場合は病理医に尋ねて、切り出しています。また主治医や病理医からの要望がある場合は、その方向に切り出しています。病理医や主治医とのコミュニケーションが大切だと思います。 |
Q&A
質問 | また、切り出し以外のタスクシフトとして病理組織診断の所見の下書きなどにも取り組んでいらっしゃるのでしょうか? |
回答 | 切り出し以外にはタスクシフトには取り組んでいません。 |
■ 臨床生理部門[14:35~15:05]
座長:梶川 裕子(マツダ病院)
11. 腹部超音波検査が診断の契機となった悪性リンパ腫の1例
西本 真理(中国中央病院)
12. 胆嚢癌化学療法中にTrousseau症候群を発症した1例 -超音波所見を中心に-
松田 浩明(中国中央病院)
13. 経カテーテル的大動脈弁植え込み術(TAVI)後に溶血性貧血を引き起こした1症例
西村 勝夢(呉共済病院)
Q&A
質問 | 術中や術直後は評価されないんでしょうか?術前のあとのデータが術後1か月での評価が通常の流れでしょうか? |
回答 | 当院はTAVIを行う施設ではないため、術中や術直後に関してはコメントできるような経験がありません。 |
Q&A
質問 | TAVI後の測定に関してです。弁周囲径に対するPVLの割合を測定するのは一般的なのでしょうか。PVLの径を測定するのは、カラードプラモードでしょうか。コツなども合わせご教示下さい。 |
回答 | 当院ではTAVIに従事されている循環器医師指導のもと、2020年弁膜症治療のガイドライン(JCS)を参考にいくつかある重症度指標を可能な限り計測しています。 その中でも短軸での評価は逆流部位を特定するのに有用と考えており、vena contractaの位置で短軸像が切れているか、カラードプラがオーバーゲインになっていないか等に注意し、過大評価にならないように気を付けて評価をしています。 |
■【みんなで考える症例検討会】[15:45~17:15]
症例1 尿蛋白出現!! 解説
司会:貞谷 啓太(中国中央病院)
<回答者>
金光 寛樹(三原赤十字病院)
松崎 祐介(福山臨床検査センター)
堤 克英(福山市民病院)
症例2 MCNS再発??? 解説
司会:平田 直也(福山市民病院)
<回答者>
松岡 里佳(福山市民病院)
松田 浩明(中国中央病院)
奥原 慶彦(尾道市立市民病院)
■【表彰式・閉会式】[17:15~17:30]